先生は俺のいいなり。 3-5 ミハエル先生の転換日となりそうです

先生は俺のいいなり(完結)

先生は俺のいいなり

バカ親父のせいで先生には本当に申し訳ないと思う。 20年程も前の話だが、それだけに重い。 この先生は20年も想い苦しんだという事なのだ。 報われない。 「学園長、今回の件は双方和解という事で、この後2人だけで話がしたいので席を外してもらえますか?」 「何か事情があるようだの? いいだろう、言っておくがあのスキルは今後禁止だぞ?」 「了解です。 お手数をおかけしました」 「ふむ、ミハエル先生も今後はあのような言はせぬようにな」 「はい、申し訳ありませんでした」 俺の土下座謝罪の事を特に追求してくることも無く、学園長は席を外してくれた。 「サリエも悪いけど席を外してくれ」 「ん、でも外で待機してる」 「ああ、それでいい」 現在生徒指導室には、ミハエル先生と俺の2人だけだ。 「あの、フォレスト君。 本当にごめんなさい、ちょっとイラッとしてて。 もう今後このような事は絶対しないので許してください」 「いえ、僕の方こそ勝手な憶測で先生を判断していたようでごめんなさい。 もうある程度の事情は把握しましたので、単刀直入にお聞きしますね。 先生は未だにゼノ父様の事が好きなのですか?」 先生はゼノの名が出た事と、好きだと聞かれたことにかなりの動揺を見せている。 「あの、質問の意図が見えません……」 「先生が学生時代にうちの親父と同じパーティーになり、遠征授業での1位祝いの打ち上げの時に関係を持ったにもかかわらず、ヤリ捨てされた件の事です」 少しストレートすぎたかもだが、先生にはこのくらいで言った方がいいと思う。 「なぜあなたがその事を知っているのですか? まさかゼノ様がおしゃべりになったのですか?」 「親父は何も言わないですよ。 むしろ忘れていると言っていいでしょう」 「そうですか……」 「先生にお聞きします。 このままで良いのですか?」 「今更です……こんな歳になってから騒がれたら、ゼノ様にご迷惑が掛かってしまうだけです」 「先生が良いのであれば、僕は何も言いません。 ですが、これが最後だと思い少しだけ言いますね。 当時先生が勇気を出して父様に結婚話をすれば、第二夫人として違う人生を歩んでいたと思いますよ。 うちの親父もそれなりに責任感の強い人間です。 ナナの母親ですが、平民にもかかわらず他の者と同じように奥さんとして扱っています。 母親3人とも仲も良く、とても幸せそうです。 先生は黙る事によってその権利を自ら放棄したのです。 うちのバカ親父が悪いのですが、1割くらいは先生にも非はあると思います」 「そんな事は、言われなくても分かっています!」 「もう一度お聞きします。 先生はこのままで良いのですか?」 「ですが、今更何て言うのですか! 20年も前の責任を取ってくれとでも言うのですか!? 」 「先生が想いを捨てきれず、少しでも幸せになりたいという気があるのでしたら、僕が協力します」 先生は俺の方を見つめて、どうして良いのか分からないといった風だ。 「第二夫人のセシア母様は今35歳なのですが、病気で子供ができなくて悩んでいました。 最近それが改善され、今子作りに励んでいます。 先生と3歳違いですが、魔素の循環が良いのでしょう。 優秀な魔術師は老化が遅いとよく言われますが、先生も20代で通用する程若々しいですよね? 先生は父様との子供ほしくないですか?」 「欲しいです! でも、今更」 「また勇気を出さず、下らない遠慮をして幸せになるチャンスを逃すのですか? 今回で最後だと思ってください。 この機会を逃せば、今後先生の想いは一方通行で終わりです。 進展は無いでしょう。 待っていても何も起こりませんよ? 妥協して気の無い違う男と結婚しますか?」 「私は……どうしたら良いのか分かりません」 「じゃあ、聞き方を変えます。 もしうちの父様と結婚できるとしたらしたいですか?」 「したいです! ずっと想って過ごしてきました! でも、今更こんな事を言えば迷惑が掛かってしまいます!」 「くだらないですね。 父様はマリア母様を手に入れるためにかなり卑怯な手を使ってでも手中にしました。 先生は迷惑が掛かるとかで、諦められるくらいのものなのですか? 20年経っても忘れられず、想いを募らせ未だに独身でいるのじゃないのですか?」 「結婚したいです……彼の子供がほしいです」 先生は想いが弾けたようにシクシク泣き出した。 俺はマリア母様にまず断りを入れる。 「母様、今お時間宜しいですか?」 「ええ、いいわよ? どうしたの?」 「そこに他の母様たちは居ますか?」 「ええ、3人でお茶しているところよ?」 「丁度いいですね、会話をオープン会話ににしてください。 実はですね……」 事の発端を詳細に順序良く説明した。 「女の敵ね! 解りました。 ゼノは私たちで折檻します。 リュークは私たちにどうしてほしいのですか?」 「ミハエル先生は、迷惑が掛かるとずっと想いを胸に独身を通してきたようですが、ラエルの件があった僕にしてみれば、下らないとしか言えません。 僕を殺してでもフィリアがほしいと願ったラエルの方が理解できる程です。 でも、このままも可哀想ですので、母様たちの仲間に入れてあげてください」 「私にも少しは責任があるのかしら?」 「マリア母様にこれっぽっちも責任は無いですよ。 バカ親父が全面的に悪いのです。 人のフィアンセに横恋慕した上に、略奪したあげく、本来娶らなければいけない相手を何も言ってこないからとヤリ捨てたのです」 「その彼女の想いは本物なのね?」 「ええ、20年経った今も男性経験はその1回きりで、想いを募らせ未だ独身です」 「今晩その方をうちに連れてこられるかしら?」 先生の都合は良いようだ。 「はい、大丈夫なようです」 「では、ナナも一緒に連れていらっしゃい。 その方を迎え入れる前提で家族会議をいたしましょう」 「了解しました。 カイン兄さんは僕がテレポで迎えに行ってきますね」 「そうですね、カインもそろそろザイルの村に着くころでしょう。 ゼノは現在公務で登城していますが、夕飯までには帰ると少し前に連絡があったので、帰ってきたら逃げないように確保しておきます」 先生は最初急展開に戸惑っていたようだが、マリア母様の迎え入れる前提で、という言葉を聞いて腹が決まったようだ。 俺はカイン兄さんに連絡し、ザイルの村の神殿で待機してもらった。 「フォレスト君、ありがとう。 正直ゼノ様に拒絶されないか怖いですが、少し勇気を出して、奥方様たちに受け入れてもらえるようにお願いしてみようと思います」 諦めかけていた恋に望みがでてきて、先生にも少し勇気がでたようだ。 ミリム母様の実家で、大きな長テーブルに現在父様以外の家族が集まっている。 上座に俺と先生が座り、右側に母様達3人が、左側にカイン兄さんと妹のナナが座っている。 粗方の事情説明も終え父様待ちの状態だ。 父様抜きの家族会議での結論を言おう。 ミハエル先生は第3夫人として受け入れる事になった。 マリア母様とセシア母様は怒り心頭だ。 貴族でないミリム母様はピンとこなかったようだが、伯爵家の息女の処女を散らしておいて、責任を取らず放置した事を許せないという訳だ。 やっと帰ってきた父様は、何も知らされず執事に連れられて俺達家族がいる部屋に誘導される。 「ただいま~! 今帰ったよ! 皆で待っててくれたのかい!? 」 父様は嬉しそうに入ってきたのだが、嘗ての同級生のミハエルさんを見つけて硬直する。 そして、重い場の空気をいち早く察知して、警戒態勢に入る。 「お帰りなさい父様、なんとなく把握したようですが、そこにお座りください」 下座の質素な木の丸椅子に座らせられるが、父様は文句も言わず大人しく掛けた。 「あなた、どういう会議が行われたか、察しの良いあなたならもうお分かりですよね?」 「ああ、ロッテとリュークが上座に座って家族全員が集まっての会議となったら、俺の過去の過ちについてだな?」 カイン兄さんが席を立って父様の方に歩み寄った。 「父様、過ちとはどういうことです?」 「私は嘗て彼女に手を出しておきながら、マリアを見初めてしまい、何も言ってこなかったロッテを見捨ててしまった」 それを聞いたカイン兄さんは父様を思いっきり殴り飛ばした。 父様は椅子ごと後ろに引っ繰り返ってしまう。 「ミハエル先生、一発でお許しください。 先生に手出ししたこと自体を過ちだと言ったのなら袋叩きにしたのですが、見捨てた事を過ちだと言うのならこれ以上は殴れません」 「カイン兄様! かっこいいです!」 「カイン兄様、素敵です! リューク兄様の次位に素敵です!」 ナナの一言で全て台無しである……。 「父様、兄様が先に殴ったので僕は何もしませんが、気持ちは同じです。 ミハエル先生は殴らないでしょうから、代わりに兄様が殴ってくれたのです。 まぁ、兄様の意図をちゃんと理解して逃げずに無抵抗で殴らせた父様もカッコ良かったですけどね……」 「ふむ、なかなか良いパンチだった。 怪我をしない程度の最大威力での顎へのクリーンヒットだ。 まだクラクラしている」 兄様は、父様を起こして自分の席に戻る。 「リュークが連れてきたのだな? だが、ロッテは一生何も言わずに過ごすものと思っていたのだが?」 「そうですね、先生は僕が連れてきました……少し先生とトラブリまして、僕の勘違いで泣かせてしまい、見兼ねた女神様が父様の事をチクッてくれたのです」 「な! 俺の過去の醜態を言ったのはロッテではなくアリア様なのか!? 」 「いえ、違う女神様ですけど、その辺は秘密です。 ミハエル先生があまりにも可哀想だと同情した女神が居たという事です。 で、父様はこの後どうなさるつもりですか?」 父様が席を立ったのでミハエル先生に謝罪するのかと思ったのだが、向かった先は母様達の所だった。 「マリア、セシル、ミリム、ロッテを新たな妻として迎え入れたい。 ミリムの時にこれ以上は嫁を増やさないと約束して於いてなんだが、彼女だけは許可もらえないだろうか?」 父様は、母様達に頭を下げて懇願する。 「もう3人での話は付いています。 今回は仕方がないので許可してあげます。 ですがこれ以降はチョッキン刑にしますからね!」 「うっ! 解った……浮気はしないと誓おう、ありがとう!」 母様達から許可を得た父様は、ミハエル先生の側にいき、深々と頭を下げた。 「ロッテ、今更だが済まなかった。 改めて言わせてもらう、許してくれるなら俺と結婚してくれないか?」 先生は手で顔を覆い泣きながらこう答えた。 「はい! 嬉しいです! その言葉を20年お待ちしておりました! 不束者ですがよろしくお願い致します!」 う~、泣けてくる……先生もっと怒れよ! その後こまごまとした話し合いがされる。 父様は明日の朝一番で、ミハエル家へ先生を嫁にもらう為に挨拶に向かうそうだ。 教師職は俺が卒業するまでは辞めないとの事で、俺の卒業と同時に退職して子供がほしいとの事だ。 式は夏休みに行う事になるようだ。 「最後に僕から報告があります。 セシア母様おめでとうございます! まだどっちか分からないですが、僕に弟か妹ができたようです」 「本当ですか? リューク、嘘じゃないですよね?」 「ええ、ですがまだお腹に宿ったばかりで不安定な状態です。 できればあまり動かず安静にして居てくださいね」 「ええ! 勿論です!」 「おめでとう、セシア! 良かったわね!」 「セシアおめでとう! 私ももう1人ほしくなっちゃった!」 「ありがとう、マリア、ミリム、ミリムももう一人産めばいいわ。 一緒に育てましょ」 「それなら、私ももう1人産もうかな……リュークが居れば高齢出産でも安泰だろうしね」 母様たちが盛り上がっているが、父様も子供ができたのは嬉しそうだ。 先生が俺の側にやってきて、お礼を言ってきた。 「フォレスト君、長い事想い描いた夢が今日叶いました。 ありがとう」 「ロッテ先生、家族になるのですから、リュークと呼んでくださいね」 「それもそうですわね……リューク君、これからもよろしくね!」 とてもいい笑顔だ! 先生ご馳走様、こっちまで幸せな気分になったよ。

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先生は俺のいいなり 1巻

先生は俺のいいなり

Contents• 大学の先生に好かれるといいことばかり これは私が体験してマジで思ったことですし、他の同級生からも「お前の時だけ先生なんか優しくね!」って言われてるくらいだったのだ、たしかだと思います。 授業の成績が良くなる 先生も人です。 時には採点の時には鬼になってちょっとでも点数が足りなかったら落とすこともあります。 わたしも2年生の頃60点が合格ラインだったのですが、なんと59. 7点で、「先生無理ですか?お願いします!!」って言ってもダメな先生もいたのでその人は例外です。 多くの先生が良くしてくれます。 わたしが実験で3班の中で一番悪い実験結果を出しました。 他の班は【優】と呼ばれる一番上から一つ下の成績でした。 私たちは、「あー、これだったら良、もしくは可だね」っておんなじ班のこと話してたんですけど、結果は一番上の秀でした笑笑 なんでも、実験の時毎回先生2人と僕たちの班がいっつも話してて、相当仲良くなったんですよね笑 それもあっての秀だと思ってます。 授業以外の場所でも(修論)などの発表でも心なしか優しくなる めっちゃわたしにだけ優しくしてくれたような気がしてます。 他の人に対してはめっちゃ当たりが強かったと後から聞いたんですけど、その時は「あー、そうなんやなぁ!たしかにあの先生怖いもんな!!」ってなってましたが、内心「あれ?俺の時めっちゃ優しく答えてくれてたんだけど、何が起きたんだ」って思ってました。 やっぱり全然違うんですよね、仲良くしてるのとそうでないのは 親身になって相談に乗ってくれる あと、これもあります。 すごく優しく話を聞いてくれるんですよね。 例えば就活の時とか、研究で悩んでいる時とか、トイレに入った時に、「お、最近は研究の調子どうか??」 そこでちょっと悪かった時なんかは 「こういう時もあるからなあ」ってアドバイスしてくれたりしました。 授業もなんか頑張らないとな!って踏ん張れるきっかけになる 先生に好かれたら、その先生の授業の時に、「なんか、きちんと受けてないと悪いかな、、」って気になって、頑張るきっかけとなります。 さいあく、それがきつい時は、後ろの方でこそこそしてても問題はないですけどね! 俺はその先生のモノマネとかをやって遊んだりしてました。 大学の先生に好かれるためには このように先生に好かれたら多くのメリットを受けることができます。 それでは実際にどうやって先生に好かれるのか話したいと思います。 授業中の回ってくる時の質問や、返答 先生の授業をうまく聞いているだけではダメです。 1番のアピールポイントは、先生が授業などで回ってくる時であったり、最初の出欠を確認する時です。 授業で回ってくる際は、「ちょっとここがわかんないんですけど?」とかいうことで、先生も「あ、こいつ俺の講義に興味あるんだな?」ってなって快く絡んでくれます。 また授業の最初の出欠確認の時に、返事で他の人と違った特徴を見せて目立つこともアピールの一つです。 俺の場合は 先生の反応• うぉ、元気あるねぇ• うぉ、びっくりした!• ほう、面白そうな人がいますねぇ てな感じで自分の名前もセットで知ってもらえるきっかけになります。 目を見て笑顔で話す子 わたしがTA(ティーチングアシスタント)をやっていた時に「この子には積極的に教えたいな!」って思ったのは目を見て笑顔で話してくれる子でした。 私の印象としては、しっかり自分のアドバイスや話を聞こうとしてくれてるんだな?楽しそうなんだなって思うからですね とにかく明るい子 明るい子はとりあえず、目が行きます。 明るくない子よりも第一印象はいいですね 授業を理解してるとかどうか関係ない 授業は理解しているかどうかは正直どうでもいいです。 結局は話す時に人の目を見て、笑顔で明るく喋ってくれる子が一番印象は良く残っています。 どうしても明るくなれない!って思うあなたは、質問をちょこっとするだけでも全然違います。 真剣に授業に取り組んでるんだなってなります。 わたしがやってたのは、授業の感想を書く時に、人よりも多く書くことを意識してました! 裏にまで感想を書くことによって人よりも違いを見せて差を付けてましたね。 今回の記事の内容は基本的に講義を受けている場合の好かれ方ですが、他の記事では質問して先生から好意を持ってもらう方法も紹介しています!ぜひよろしければそれもどうぞ!.

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大学の先生に好かれるといいことばかり

先生は俺のいいなり

バカ親父のせいで先生には本当に申し訳ないと思う。 20年程も前の話だが、それだけに重い。 この先生は20年も想い苦しんだという事なのだ。 報われない。 「学園長、今回の件は双方和解という事で、この後2人だけで話がしたいので席を外してもらえますか?」 「何か事情があるようだの? いいだろう、言っておくがあのスキルは今後禁止だぞ?」 「了解です。 お手数をおかけしました」 「ふむ、ミハエル先生も今後はあのような言はせぬようにな」 「はい、申し訳ありませんでした」 俺の土下座謝罪の事を特に追求してくることも無く、学園長は席を外してくれた。 「サリエも悪いけど席を外してくれ」 「ん、でも外で待機してる」 「ああ、それでいい」 現在生徒指導室には、ミハエル先生と俺の2人だけだ。 「あの、フォレスト君。 本当にごめんなさい、ちょっとイラッとしてて。 もう今後このような事は絶対しないので許してください」 「いえ、僕の方こそ勝手な憶測で先生を判断していたようでごめんなさい。 もうある程度の事情は把握しましたので、単刀直入にお聞きしますね。 先生は未だにゼノ父様の事が好きなのですか?」 先生はゼノの名が出た事と、好きだと聞かれたことにかなりの動揺を見せている。 「あの、質問の意図が見えません……」 「先生が学生時代にうちの親父と同じパーティーになり、遠征授業での1位祝いの打ち上げの時に関係を持ったにもかかわらず、ヤリ捨てされた件の事です」 少しストレートすぎたかもだが、先生にはこのくらいで言った方がいいと思う。 「なぜあなたがその事を知っているのですか? まさかゼノ様がおしゃべりになったのですか?」 「親父は何も言わないですよ。 むしろ忘れていると言っていいでしょう」 「そうですか……」 「先生にお聞きします。 このままで良いのですか?」 「今更です……こんな歳になってから騒がれたら、ゼノ様にご迷惑が掛かってしまうだけです」 「先生が良いのであれば、僕は何も言いません。 ですが、これが最後だと思い少しだけ言いますね。 当時先生が勇気を出して父様に結婚話をすれば、第二夫人として違う人生を歩んでいたと思いますよ。 うちの親父もそれなりに責任感の強い人間です。 ナナの母親ですが、平民にもかかわらず他の者と同じように奥さんとして扱っています。 母親3人とも仲も良く、とても幸せそうです。 先生は黙る事によってその権利を自ら放棄したのです。 うちのバカ親父が悪いのですが、1割くらいは先生にも非はあると思います」 「そんな事は、言われなくても分かっています!」 「もう一度お聞きします。 先生はこのままで良いのですか?」 「ですが、今更何て言うのですか! 20年も前の責任を取ってくれとでも言うのですか!? 」 「先生が想いを捨てきれず、少しでも幸せになりたいという気があるのでしたら、僕が協力します」 先生は俺の方を見つめて、どうして良いのか分からないといった風だ。 「第二夫人のセシア母様は今35歳なのですが、病気で子供ができなくて悩んでいました。 最近それが改善され、今子作りに励んでいます。 先生と3歳違いですが、魔素の循環が良いのでしょう。 優秀な魔術師は老化が遅いとよく言われますが、先生も20代で通用する程若々しいですよね? 先生は父様との子供ほしくないですか?」 「欲しいです! でも、今更」 「また勇気を出さず、下らない遠慮をして幸せになるチャンスを逃すのですか? 今回で最後だと思ってください。 この機会を逃せば、今後先生の想いは一方通行で終わりです。 進展は無いでしょう。 待っていても何も起こりませんよ? 妥協して気の無い違う男と結婚しますか?」 「私は……どうしたら良いのか分かりません」 「じゃあ、聞き方を変えます。 もしうちの父様と結婚できるとしたらしたいですか?」 「したいです! ずっと想って過ごしてきました! でも、今更こんな事を言えば迷惑が掛かってしまいます!」 「くだらないですね。 父様はマリア母様を手に入れるためにかなり卑怯な手を使ってでも手中にしました。 先生は迷惑が掛かるとかで、諦められるくらいのものなのですか? 20年経っても忘れられず、想いを募らせ未だに独身でいるのじゃないのですか?」 「結婚したいです……彼の子供がほしいです」 先生は想いが弾けたようにシクシク泣き出した。 俺はマリア母様にまず断りを入れる。 「母様、今お時間宜しいですか?」 「ええ、いいわよ? どうしたの?」 「そこに他の母様たちは居ますか?」 「ええ、3人でお茶しているところよ?」 「丁度いいですね、会話をオープン会話ににしてください。 実はですね……」 事の発端を詳細に順序良く説明した。 「女の敵ね! 解りました。 ゼノは私たちで折檻します。 リュークは私たちにどうしてほしいのですか?」 「ミハエル先生は、迷惑が掛かるとずっと想いを胸に独身を通してきたようですが、ラエルの件があった僕にしてみれば、下らないとしか言えません。 僕を殺してでもフィリアがほしいと願ったラエルの方が理解できる程です。 でも、このままも可哀想ですので、母様たちの仲間に入れてあげてください」 「私にも少しは責任があるのかしら?」 「マリア母様にこれっぽっちも責任は無いですよ。 バカ親父が全面的に悪いのです。 人のフィアンセに横恋慕した上に、略奪したあげく、本来娶らなければいけない相手を何も言ってこないからとヤリ捨てたのです」 「その彼女の想いは本物なのね?」 「ええ、20年経った今も男性経験はその1回きりで、想いを募らせ未だ独身です」 「今晩その方をうちに連れてこられるかしら?」 先生の都合は良いようだ。 「はい、大丈夫なようです」 「では、ナナも一緒に連れていらっしゃい。 その方を迎え入れる前提で家族会議をいたしましょう」 「了解しました。 カイン兄さんは僕がテレポで迎えに行ってきますね」 「そうですね、カインもそろそろザイルの村に着くころでしょう。 ゼノは現在公務で登城していますが、夕飯までには帰ると少し前に連絡があったので、帰ってきたら逃げないように確保しておきます」 先生は最初急展開に戸惑っていたようだが、マリア母様の迎え入れる前提で、という言葉を聞いて腹が決まったようだ。 俺はカイン兄さんに連絡し、ザイルの村の神殿で待機してもらった。 「フォレスト君、ありがとう。 正直ゼノ様に拒絶されないか怖いですが、少し勇気を出して、奥方様たちに受け入れてもらえるようにお願いしてみようと思います」 諦めかけていた恋に望みがでてきて、先生にも少し勇気がでたようだ。 ミリム母様の実家で、大きな長テーブルに現在父様以外の家族が集まっている。 上座に俺と先生が座り、右側に母様達3人が、左側にカイン兄さんと妹のナナが座っている。 粗方の事情説明も終え父様待ちの状態だ。 父様抜きの家族会議での結論を言おう。 ミハエル先生は第3夫人として受け入れる事になった。 マリア母様とセシア母様は怒り心頭だ。 貴族でないミリム母様はピンとこなかったようだが、伯爵家の息女の処女を散らしておいて、責任を取らず放置した事を許せないという訳だ。 やっと帰ってきた父様は、何も知らされず執事に連れられて俺達家族がいる部屋に誘導される。 「ただいま~! 今帰ったよ! 皆で待っててくれたのかい!? 」 父様は嬉しそうに入ってきたのだが、嘗ての同級生のミハエルさんを見つけて硬直する。 そして、重い場の空気をいち早く察知して、警戒態勢に入る。 「お帰りなさい父様、なんとなく把握したようですが、そこにお座りください」 下座の質素な木の丸椅子に座らせられるが、父様は文句も言わず大人しく掛けた。 「あなた、どういう会議が行われたか、察しの良いあなたならもうお分かりですよね?」 「ああ、ロッテとリュークが上座に座って家族全員が集まっての会議となったら、俺の過去の過ちについてだな?」 カイン兄さんが席を立って父様の方に歩み寄った。 「父様、過ちとはどういうことです?」 「私は嘗て彼女に手を出しておきながら、マリアを見初めてしまい、何も言ってこなかったロッテを見捨ててしまった」 それを聞いたカイン兄さんは父様を思いっきり殴り飛ばした。 父様は椅子ごと後ろに引っ繰り返ってしまう。 「ミハエル先生、一発でお許しください。 先生に手出ししたこと自体を過ちだと言ったのなら袋叩きにしたのですが、見捨てた事を過ちだと言うのならこれ以上は殴れません」 「カイン兄様! かっこいいです!」 「カイン兄様、素敵です! リューク兄様の次位に素敵です!」 ナナの一言で全て台無しである……。 「父様、兄様が先に殴ったので僕は何もしませんが、気持ちは同じです。 ミハエル先生は殴らないでしょうから、代わりに兄様が殴ってくれたのです。 まぁ、兄様の意図をちゃんと理解して逃げずに無抵抗で殴らせた父様もカッコ良かったですけどね……」 「ふむ、なかなか良いパンチだった。 怪我をしない程度の最大威力での顎へのクリーンヒットだ。 まだクラクラしている」 兄様は、父様を起こして自分の席に戻る。 「リュークが連れてきたのだな? だが、ロッテは一生何も言わずに過ごすものと思っていたのだが?」 「そうですね、先生は僕が連れてきました……少し先生とトラブリまして、僕の勘違いで泣かせてしまい、見兼ねた女神様が父様の事をチクッてくれたのです」 「な! 俺の過去の醜態を言ったのはロッテではなくアリア様なのか!? 」 「いえ、違う女神様ですけど、その辺は秘密です。 ミハエル先生があまりにも可哀想だと同情した女神が居たという事です。 で、父様はこの後どうなさるつもりですか?」 父様が席を立ったのでミハエル先生に謝罪するのかと思ったのだが、向かった先は母様達の所だった。 「マリア、セシル、ミリム、ロッテを新たな妻として迎え入れたい。 ミリムの時にこれ以上は嫁を増やさないと約束して於いてなんだが、彼女だけは許可もらえないだろうか?」 父様は、母様達に頭を下げて懇願する。 「もう3人での話は付いています。 今回は仕方がないので許可してあげます。 ですがこれ以降はチョッキン刑にしますからね!」 「うっ! 解った……浮気はしないと誓おう、ありがとう!」 母様達から許可を得た父様は、ミハエル先生の側にいき、深々と頭を下げた。 「ロッテ、今更だが済まなかった。 改めて言わせてもらう、許してくれるなら俺と結婚してくれないか?」 先生は手で顔を覆い泣きながらこう答えた。 「はい! 嬉しいです! その言葉を20年お待ちしておりました! 不束者ですがよろしくお願い致します!」 う~、泣けてくる……先生もっと怒れよ! その後こまごまとした話し合いがされる。 父様は明日の朝一番で、ミハエル家へ先生を嫁にもらう為に挨拶に向かうそうだ。 教師職は俺が卒業するまでは辞めないとの事で、俺の卒業と同時に退職して子供がほしいとの事だ。 式は夏休みに行う事になるようだ。 「最後に僕から報告があります。 セシア母様おめでとうございます! まだどっちか分からないですが、僕に弟か妹ができたようです」 「本当ですか? リューク、嘘じゃないですよね?」 「ええ、ですがまだお腹に宿ったばかりで不安定な状態です。 できればあまり動かず安静にして居てくださいね」 「ええ! 勿論です!」 「おめでとう、セシア! 良かったわね!」 「セシアおめでとう! 私ももう1人ほしくなっちゃった!」 「ありがとう、マリア、ミリム、ミリムももう一人産めばいいわ。 一緒に育てましょ」 「それなら、私ももう1人産もうかな……リュークが居れば高齢出産でも安泰だろうしね」 母様たちが盛り上がっているが、父様も子供ができたのは嬉しそうだ。 先生が俺の側にやってきて、お礼を言ってきた。 「フォレスト君、長い事想い描いた夢が今日叶いました。 ありがとう」 「ロッテ先生、家族になるのですから、リュークと呼んでくださいね」 「それもそうですわね……リューク君、これからもよろしくね!」 とてもいい笑顔だ! 先生ご馳走様、こっちまで幸せな気分になったよ。

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