ベクトル ネットワーク アナライザ。 中国製アンテナアナライザ・ベクトルネットワークアナライザ(VNA)登場 NanoVNA 50kHz~900MHz 日本語取説: JP1KHY/鈴鹿和男

ネットワーク・アナライザ (高周波回路)

ベクトル ネットワーク アナライザ

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中国製アンテナアナライザ・ベクトルネットワークアナライザ(VNA)登場 NanoVNA 50kHz~900MHz 日本語取説: JP1KHY/鈴鹿和男

ベクトル ネットワーク アナライザ

今回はネットワーク・アナライザについてのお話です。 ところで、ネットワーク・アナライザと聞いて思い浮かべるのはどのような装置でしょうか? 一般的にはイーサネットのトラフィックを測定する装置や無線LANの接続状況をモニタする装置などを思い浮かべる方が多いと思います。 今回紹介するのは、このような上位レイヤの解析を行うアナライザではなく、物理レイヤの信号伝送の特性を測定するネットワーク・アナライザです。 電子回路は個々の部品と各部品をつなぐ配線で構成されているので、ネットワークの一種と考えることができます。 電子回路のネットワークが設計通り動作しているかを検証するための装置がネットワーク・アナライザです。 今日使われているネットワーク・アナライザは、正式名称をベクトル・ネットワーク・アナライザといいます。 高周波信号を扱う場合、信号の振幅だけではなく位相も重要な要素となり、信号の振幅と位相を一度に表現するために2次元ベクトルを使用します。 このような信号ベクトルを扱うことから、ベクトル・ネットワーク・アナライザ(VNA)という名前がついてます。 信号ベクトルを数式で表記するときは、R+jXといった複素数表記を使います。 ここで、Rは実数成分、Xは虚数成分です。 信号のベクトル表記 ネットワーク・アナライザが測定する対象 ベクトル・ネットワーク・アナライザ(以下VNAと略します)は何を測定するのでしょうか。 VNAは被測定デバイス(DUT:Device Under Test)に信号を加えて、デバイスの入力で反射する信号とデバイスを通り抜ける通過信号を測定します。 DUTは個々の部品でも通信ケーブルでもプリント基板上の配線でも構いません。 VNAの信号端子は信号出力と信号入力の両方の役割をもっており、この入出力端子のことをポートと呼びます。 2ポートのVNAには、2個の入出力端子(ポート)が搭載されています。 2ポートのVNAではDUTの入力で反射した成分と、DUTを通過した成分の両方を測定することが可能です。 反射した信号と通過した信号の両方を測定すれば、内部で減衰した信号もわかります。 反射特性評価の例 反射信号の振幅と位相を極座標表示で表示した例です。 中心からの距離が反射信号の強度、角度が反射信号の位相を表します。 各周波数での反射量と位相の値をプロットしています。 ネットワーク・アナライザの用途 ネットワーク・アナライザは様々な用途で使用されますが、ここではIoTデバイス開発におけるネットワーク・アナライザの用途について紹介します。 IoTデバイス開発では、主にアンテナの評価とインピーダンス・マッチングの2つの用途でVNAが使われます。 アンテナの評価 アンテナは電気信号を電波に変換する役割がありますが、送信機からアンテナに到達した信号のすべてが電波となって送信されるわけではありません。 アンテナに入った信号エネルギーの一部は電波となって大気中に出ていくことができず、入ってきた端子から送信機の方に戻っていきます。 入力した電力と反射した電力を測定することにより、どれだけのエネルギーが電波となって送出されたかがわかります。 ネットワーク・アナライザでは指定した周波数の信号をアンテナに入力して、反射してきた信号の電力を測定します。 アンテナでの反射量はVSWR(Voltage Standing Wave Ratio:電圧定在波比)として測定できます。 VSWRの値は1. 0が最良(反射量が0)で、数値が大きくなるほど反射量が大きくなります。 信号の反射量を表す項目として、リターン・ロスもありますがVSWRとリターン・ロスは表現が違うだけで測定内容は同じです。 VSWRとリターン・ロスは相互に変換が可能です。 アンテナの位置によるVSWRの違い アンテナを伸ばした状態と曲げた状態で特性が変化しているのがわかります。 この例ではアンテナを曲げた時の方がVSWRの値が低くなっているので、より特性が良いといえます。 アンテナ・メーカのデータシートは周囲に何もない理想的な環境での測定結果ですので、各装置に組み込んだ状態での性能を測定するには、個々にVNAで測定する必要があります。 インピーダンスの不整合 直流回路では電圧と電流の比が抵抗になります(オームの法則)。 高周波においても考え方は同じで、伝送路を流れる高周波の電圧と電流の比をインピーダンスと呼びます。 各デバイスや信号伝送路(同軸ケーブル、基板上のパターン、フラットケーブルなど)はそれぞれ固有のインピーダンスが存在します。 トランスミッタ、伝送路、レシーバのすべてでインピーダンスが同じであれば、信号は途中で反射することなく伝送されます。 一方、インピーダンスの不連続点があると、その不連続点で信号が反射することにより送信信号の一部が戻ってきます。 このような信号の反射は電力のロスになるばかりではなく信号歪の原因になります。 インピーダンスは周波数によらず一定であるのが望ましいのですが、実際のデバイスや伝送路では周波数特性(周波数によって異なる特性)を持ちます。 インピーダンス・マッチング トランスミッタとレシーバのインピーダンスが同じであれば問題ないのですが、トランスミッタとレシーバでインピーダンスが異なっている場合はどうするのでしょうか。 そのまま接続すると、伝送路のインピーダンスをどちらに合わせても不連続点が発生します。 このような場合は、インピーダンス・マッチング回路を使用します。 インピーダンス・マッチング回路はインピーダンスを変換することにより、入力側と出力側でインピーダンスを変えることができます。 無線通信に使用するLSIのアンテナ端子のインピーダンスは出力する周波数や出力パワーによって変動するので、実際に使用する周波数においてアンテナのインピーダンスとのインピーダンス・マッチング回路が必要になります。 このマッチング回路はコイルとコンデンサの組み合わせで構成されています。 このマッチング回路が正しく動作しているかどうかを確認するためにも、VNAが使用されます。 IoTデバイスの開発にネットワーク・アナライザは必要か? 無線通信機能を内蔵したIoTデバイスを開発するにあたって、VNAは必要でしょうか?アンテナ内蔵の無線モジュールを購入して組み込むだけであれば、VNAを使用する必要はありません。 アンテナ外付けの無線モジュールを使用する場合は、実装時のアンテナの特性を測定するためにネットワーク・アナライザはあったほうがよいです。 無線モジュールを購入した場合には設計は楽になりますが、IoTデバイスの生産台数が多い場合は無線モジュールを使用するとデバイスの単価を下げることができず、小型化にも限界があります。 一方、RF機能を搭載したLSIを購入して他の機能と一緒に1枚の基板に実装すれば大量生産時の単価を大幅に下げることが可能です。 このように自社で設計した基板にRF-ICとアンテナを実装する場合にはインピーダンス・マッチングのためのネットワーク・アナライザは必須となります。

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ベクトル・ネットワーク・アナライザ『R&S ZNL』

ベクトル ネットワーク アナライザ

ネットワークアナライザは、電子回路網を解析する装置として開発され、基本的にインピーダンスと減衰量を測定する装置である。 現在、ミリ波帯周波数の110 GHzまで提供されており、応用範囲が広いため各種さまざまな分野で、また、いろいろな用途に使われている。 ネットワークアナライザは、スカラネットワークアナライザとベクトルネットワークアナライザとに大別できる。 スカラネットワークアナライザは、振幅の測定によって周波数特性を測定するもので、高周波信号への対応が比較的容易である。 一方、ベクトルネットワークアナライザは、振幅に加えて位相の測定も可能なため、より幅広い分野で利用され、また、高確度の測定が可能である。 ここでは、主にベクトルネットワークアナライザについて解説する。 ネットワークアナライザは、電力、周波数、スペクトラムと同様、インピーダンスと減衰量の基本測定器でもあるが、校正によるその高い測定確度から、電子計測器の中でも標準器として位置付けられている。 電気回路網を記述するパラメータには電圧で表すVパラメータ、インピーダンスで表すZパラメータやハイブリッドのHパラメータ等があるが、ネットワークアナライザでは電力で表すS(Scattering:散乱)パラメータを用いる。 このSパラメータは、実数と虚数とで表す複素量であり、測定系が持つ誤差要因の位相と振幅を校正によって取り除くため、極めて高い測定確度を提供することができる。 1 測定原理 基本構造を図1に示すが、信号源、信号分離器(パワースプリッタ)、方向性結合器(カップラ)及び最低三つの受信機から構成される。 これらは、測定できる周波数範囲をすべてカバーする必要がある。 信号源を二つに分離して一つを基準R受信機、他を入射信号とし、反射信号のA受信機及び伝送信号のB受信機との比測定がSパラメータとなる。 各受信機は中間周波数に変換後、同期検波によって実数と虚数の複素量をデジタル処理し、スミスチャート、対数振幅、位相、群遅延など14種類の各形式で表示される。 2 Sパラメータ(Scattering Parameter) Sパラメータとは、被測定回路網(DUT)の伝送及び反射特性のことで、2端子回路網を図2のように表す。 S 11 ~S 22 は、次のように定義される。 S 11 :ポート1に入射した信号の一部がポート1から反射される信号 S 21 :ポート1に入射した信号がポート2へ伝送される信号 S 12 :ポート2に入射した信号がポート1へ伝送される信号 S 22 :ポート2に入射した信号の一部がポート2から反射される信号 いずれも実数と虚数の複素量で、実数は振幅に、虚数は位相に相当する。 図3に反射の相関を示す。 3 振幅と位相 ネットワークアナライザの測定では、正弦波の信号を用いる。 この信号をベクトルで表したのが図4である。 ベクトルの長さは信号の振幅(Mag)で、ベクトルの角度が位相(Deg)である。 測定系をスルー接続したときの振幅を0dB、位相を0度とし、DUT(被測定回路網)を測定系に接続すると、その比が振幅で、差が位相となる。 図5に振幅比と位相差を示す。 4 校正(Calibration) ネットワークアナライザが極めて高い測定確度を提供できるのは、測定系自身が有する誤差成分をオープン(開放)、ショート(短絡)、ロード(無反射終端器)の各基準器によって、測定系自身のSパラメータを測定し、この測定データをDUT(被測定回路網)のSパラメータから数学的な手法で取り除くことができるからである。 測定前に行うこの処理を校正という。 基準器で校正して初めて、ネットワークアナライザとして動作するので、校正しなければ測定器という名称の単なる箱に等しい。 校正とは、伝送及び反射の測定基準面を創設することで、振幅0 dB、位相0度を校正によって定義する。 測定系自身が有する誤差成分の内、常に再現性のある誤差要因である方向性、ソースマッチ、ロードマッチ、伝送周波数レスポンス、反射周波数レスポンス、アイソレーション(リーケージ)をベクトル演算によって補正する。 2 校正手順 同軸線路の代表的な校正手法であるSOLT(Short-Open-Load-Thru)の校正手順を見ていく。 まず、測定しようとする基準面を決定する。 一般的な測定基準面はテストポートから延長した同軸ケーブル端で、片方をポート1、他方をポート2とする。 最後に、ポート1とポート2を直結し、順方向及び逆方向の伝送周波数レスポンスをメモリに記憶する。 基準となるオープン、ショート及びロードの校正キットは、国家標準器にトレースできる2次標準器が使用される。 したがって、測定系が持つこれらの誤差要因の位相と振幅は、DUTの測定値からベクトル演算によって差し引かれ、極めて高い測定確度が得られる。 3 校正で取り除く誤差要因 ベクトルネットワークアナライザでは、数学的な手法(ベクトル誤差補正)で次の誤差要因を補正する。 方向性• ソースマッチ• ロードマッチ• 伝送周波数レスポンス• 反射周波数レスポンス• アイソレーション(リーケージ) これらすべての誤差要因を順方向と逆方向との両方について補正することを、フル2ポート校正又は12タームの誤差補正という。 12タームの完全な校正モデルを図12に示す。 ネットワークアナライザの測定系自身が持つこれらの誤差要因は、校正時点でも測定時点でも常に再現性があるため補正できるが、次の誤差要因(不安定誤差)は再現性がないため、ベクトル誤差補正を行っても補正できない。 コネクタの再現性• 受信部の残留ノイズ• 周波数の安定度:周波数の変動は位相の変動• 校正ごとの再現性 したがって、コネクタ締付けトルクの一定化、計測環境の一定温度化、測定信号源の高安定化、測定系同軸ケーブルの温度及び可動による位相安定化など、校正と測定を行う環境条件や工程に十分な注意を払う必要がある。

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